体の毒素を出す方法とは?【デトックス基礎編】
「デトックス」と聞くとアナタはどんなイメージを浮かべますか?毒素出し・モデルがやること・コールドプレスジュース・ファスティング・意識高い・食事制限・不食・●●だけ食べたり飲んだりする、などなどのイメージを浮かべることだと思います。
メディアでも一時期取り上げられ、ブームとなった「デトックス」。流行りの真っただ中では、さまざまな情報が飛び交い、なかには体を壊しかねない極端なやり方も紹介されていたのも事実です。
実は、正しいデトックス法は日常生活で簡単にできることばかり。体の仕組みをきちんと理解したうえで、ご自分の生活を見直しながらデトックスを正しくとり入れていきましょう。
何も難しいことはありません。何も特別のことでもありません。美と健康を手に入れるために必要な方法として、体に不要な毒素を出すデトックスをするだけ。アナタも是非、軽い気持ちでこれから紹介する方法を試してみてくださいね。
- この記事の目次
まずは自分の体のサイクルを知ろう
わたしたちの体は本来、決まったサイクルで活動するようになっています。朝に目覚めて活動をし、夜には眠って体を休めるという1日の流れに合わせて体のさまざまな働きを調節して心身の健康を保っているのです。
このサイクルは食事や排泄とも密接な関係があるので、デトックスをする際にはこのリズムを理解しておかなければなりません。次にご紹介する「体内時計」のリズムに合わせて排泄や消化、吸収をスムーズに行うようにすれば、体内に余分なものを溜め込みにくくなるはずです。
朝4時から正午までは「排泄」の時間帯
午前中は、体内に溜まった老廃物を排除してリセットする大切な時間。このときは、まだ食べ物を消化・吸収する準備は整っていません。
排泄にエネルギーを使えるように、朝食は軽めのほうがよいでしょう。朝に重いものを食べてしまうと消化にエネルギーを費やし、排泄力が落ちてしまうのです。胃腸にも負担がかかってしまいます。
午前中にしっかりと排泄するためには、あっさりとした和食や果物などがおすすめです。
また、皮膚と腎臓は表裏の関係にあり、腎臓の排泄作用が衰えると皮膚から毒素が出るため肌荒れの原因になりますので、水分をこまめに摂ることをおすすめします。
正午から夜8時までは「消化」の時間帯
午後は消化能力が高まり、体が必要な栄養素をしっかりと摂取できる時間帯です。体がもっとも活動的になっているときなので、栄養のあるものをしっかりと食べましょう。
この時間帯であれば、少しくらいカロリーの高いものを食べてもエネルギーに換えることができるはず。
ただし、野菜を中心とした栄養バランスのとれた食事を心がけてください。
夜8時から朝4時までは「吸収」の時間帯
日中に摂取した栄養を吸収しながら休息する時間帯なので、夕飯は夜8時までに済ませるのが理想です。「魔の太る時間帯」ともいわれるこの時間帯に入ったら、食べ物はいっさい口にしないようおすすめします。
「吸収」のサイクルに入る直前に食べる夕飯の量はできるだけ少なく、カロリーも控えめにしたほうがよいでしょう。この時間に空腹を保ってしっかりと「吸収」しておくと、朝には体がリフレッシュできるはずです。
デトックスが必要な生活タイプ
乱れた生活習慣や食生活を続けていると体の機能が正常に働かずに老廃物が蓄積され、体や肌などに問題が生じることがあります。こうして体に溜まった老廃物を排出する「デトックス」は、体が本来もっている働きを取り戻すために行うものです。
次のような人は、デトックスを意識した生活をしてみるとよいでしょう。
免疫力を高めたい人
食べたものを消化・吸収して全身に栄養を送るという大切な役割をしている腸に余分なものが溜まっていては、健康を害するのは当然といっても過言ではありません。
腸内が健康な状態であれば循環がよくなり、免疫力が高くなります。免疫力を高めたい人は、デトックスに取り組んで腸内をきれいにしておきましょう。
美肌を手に入れたい人
体の中に溜まった毒素を体が処理しきれなくなると、血液にのって全身に流れていきます。毒素をとり込んだ皮膚は炎症を起こして膿(うみ)と一緒に毒素を排出しようと働く、と東洋医学では考えられています。つまり、吹き出物やニキビは体内の毒素を排出するデトックス機能の一種というわけです。
吹き出物やニキビの改善には毒素を溜め込まないためのデトックスが有用とされています。デトックスにより血流もよくなるので肌の血色も明るくなり、むくみも解消されるでしょう。
太りにくい体になりたい人
デトックスをすると新陳代謝が高まって、太りにくい体質になりやすいといわれています。また、脂肪燃焼を邪魔する有害物質を排出することで、脂肪も燃焼しやすくなるでしょう。
体内に溜めこまれた毒素は脂肪やタンパク質と結びつく性質があるため、代謝が滞ってしまうのです。デトックスで毒素を取り除いて細胞が本来の働きを行えるようにし、体脂肪を減らしていきましょう。
簡単で正しいデトックスの4つのコツ
体内に溜まった余分なものを排出するデトックスは、決して難しいことではありません。日常生活を送るうえで次の点をしっかりと意識することが大切です。
排便・排尿習慣をつける
デトックスの基本ともいえるのが、排便と排尿です。排便と排尿がスムーズに行われていれば、体内に老廃物が溜まることはほとんどありません。規則正しい排便・排尿習慣をつけるやめに、1日に1~1.5リットルほどの水分を補給しましょう。
水分補給におすすめなのは、ミネラルウォーターです。スポーツドリンクには糖質が多く含まれていますし、カフェインを含むお茶やコーヒーには利尿作用があるので脱水状態に気をつけなければなりません。お茶であれば、ノンカフェインの麦茶・そば茶・ルイボス茶などがよいでしょう。胃腸の働きを整えるミントティーもすっきりと飲みやすくおすすめです。
また、水分を失わないように、喉が渇く前に水分補給をするのもポイントです。喉が渇いたと感じるときには、体はすでに脱水状態になっています。排便習慣をつけるためには、早起きは欠かせません。朝出かける前に朝食をとり、トイレに行く余裕のある時間に起きるようにしましょう。
このコツで必要なのは「ゆったりとした時間を作る事」です。忙しない毎日でも、一呼吸置くようにトイレに行く時間を作りましょう。
汗を出す
デトックスといえば、岩盤浴やホットヨガなどで汗を流すことを想像する人も多いでしょう。皮脂腺から出る汗と一緒に体内に蓄積された老廃物を排出することももちろん大切です。汗を大量に出すことで、代謝もよくなります。
しかし、汗で排出される老廃物は3%ほどといわれているのです。排便が約75%、排尿で約20%という排出割合を考えると、発汗だけでデトックスを行うのは無理があるでしょう。
代謝を高めて血流をよくするという目的のために汗をかく必要があると理解しておいてください。
このコツで必要なのは「質の良い汗をかくこと」です。質の良い汗というのは、べたべたしない引きの良い汗のことを言います。
マッサージをする
血液やリンパの流れを促すマッサージもデトックス効果があるといわれています。体内のめぐりがよくなると毒素の溜まりにくい体に近づくでしょう。マッサージによって排泄も促すこともできます。
セルフケアももちろん、知識の豊富なマッサージの先生の施術を受けるのもおすすめです。内側からのケアばかりでなく、外からの刺激で体の巡りを良くする、という考えもあるのです。
デトックス食材を摂取する
デトックス効果が期待できる食材を意識的にメニューに取り入れる方法もあります。デトックスにはミネラルやビタミン、食物繊維の摂取が欠かせませんから、季節の野菜や果物を食べるようにしましょう。旬なものを食べるというのは、栄養学などがない時代から当たり前にされてきたことです。体のリズムを整えその季節に順応させ強い体にしていく、という効果があります。
春:苦み成分の強い山菜類を頂くことで冬にため込んだ毒素を出していく
夏:トマトやきゅうり、茄子などの「体を冷やす効果のある野菜」を取り入れて排泄を促し体の熱を逃がしていく
秋:芋栗かぼちゃなど穀類、根菜類を頂くことで寒く厳しい冬に向かって体を温めエネルギーを蓄えていく
冬:みかんや白菜などのビタミン豊富な野菜で日照時間が少ない中でもビタミンを補給していく
ざっくりいうとこうした四季と食材のサイクルがある、というのを覚えておいてください。
通年で手に入る食材でデトックス効果が高いのは、しいたけやなめこなどのきのこ類にも、これらの栄養素が豊富です。また、わかめや昆布、もずくといった海藻類にもすぐれたデトックス効果があるとされています。ミネラルやビタミン、食物繊維も含まれていますし、フコダインというぬめり成分に体内の有害物質を排出する働きがあるのです。
穀類でいうと、デトックス効果の高いフィチン酸が含まれる玄米があります。ただし、体に必要なミネラルまで排出してしまうおそれがあるので過剰摂取に注意してください。栄養バランスと代謝を高めるためには、雑穀ご飯に5分づきや7分づきの玄米をプラスするのがよいとされています。
精製された食材は栄養価が低く、精製の段階で添加物が使われている可能性があります。よって、デトックスとは真反対の毒素を溜め込んでしまうリスクもあるのです。
まとめ
デトックスの基本は、排便と排尿です。そのうえで発汗やマッサージ、食生活の改善などを心がけて体内に溜まった毒素を排出しやすくしていきましょう。
それから、どのようなものを体内にとり入れるのかも重要なポイントです。せっかくデトックス生活をしていても、体に毒となるものを口にしていたのでは台無しになってしまいます。
食品添加物や汚染された環境で育てられた動植物の摂取などは可能な限り避けるのも忘れないでくださいね。